八戸―久慈間をゆったりと過ごす贅沢な空間
【TOHOKU EMOTION】
2023年に運行開始から10周年を迎えたレストラン列車「TOHOKU EMOTION」。主に週末、八戸―久慈間の海沿いを走っていますが、現在もその人気はとどまることを知りません。今回はその人気の理由・魅力に迫ります!
乗車前から漂う特別感

列車の外観デザインイメージは「走るレストラン」、コンセプトは「デザイン、食、アート」。JR東日本が運行する、のってたのしい列車の中でも「食」に重点をおいており、往路ではコースランチ、復路ではデザートブッフェを楽しむことが出来ます。
列車は3両編成で、乗降は2号車のドアから。赤いカーペットとドア上部の小さなランプが旅への高鳴りを加速させますね。
いざ車内、そして座席へ!

乗降口から車内へ進むと、オリジナルのBGMが聴こえてきます。右を見ると目の前にはライブキッチンスペースがあり、ちょうど前菜の準備中!まさに雰囲気はレストラン。列車であることを忘れてしまいます。取材日は快晴で、三角のテーブルに大きな窓から日が差していました。
今回利用した3号車は、床に青森県の「こぎん刺し」、照明に岩手県の「琥珀」、什器(じゅうき)の仕上げ材は宮城県の「雄勝硯(おがつすずり)」がモチーフとなっています。よく見ると箸袋やランチョンマットにも漁師さんや動物、海女さんなど東北を感じる可愛いイラストが描かれています!

ちなみに1号車はこのようなコンパートメント個室座席。福島県の刺子織をモチーフにしたヘッドファブリックと青色のシートによるシックな雰囲気が、より一層プライベートな空間を作り出しています。

席につくと、ウェルカムドリンクとしてノンアルコールのスパークリングアップルまたはアップルサイダーが提供されます。
列車がゆっくりと動き始め、最高の旅のスタートです!
提供される豪華な「食」

TOHOKU EMOTIONで提供されるお料理は、年に2回担当シェフが、4回メニューが替わるため、何度ご利用いただいても毎回新たな発見や楽しみがあります!(ご利用いただく季節によって景色も変わるので新鮮です。)
取材時(2024年7-9月)の往路メニューの前菜は左上から、とうもろこし摺りながし、冷製茶碗蒸し(焼きうに・枝豆・出汁ジュレ)、ホヤともずくの香味酢、いわいどりの塩麴焼き、出汁巻きたまご、酢取り茗荷、さつまいもレモン煮、南蛮漬け、茄子揚げ浸しと計9品が木箱に入っていました。
さっぱりとした味だけでなく、食べやすいサイズと豊富な品数で、どれも美味しいだけでなく食感の変化にもワクワクしました!監修シェフによってジャンルの異なる、創意工夫が加えられたメニューを楽しめるのも魅力の1つです。

お料理だけでなく、ドリンクメニューも種類が豊富ですべて飲み放題です!青森県の日本酒やTOHOKU EMOTIONだけのオリジナルラベルワインも用意されています。
海沿いならではの自然溢れる景色

八戸を出発し前菜をいただいていると、「景色をお楽しみいただくためビュースポットでは一旦停車や減速をして運行いたします」と車内アナウンスが流れました。
車内放送にてビュースポットを知らせてくれます。車窓から見える蕪島(かぶしま)や葦毛崎(あしげざき)展望台にうっとり。天気も良く、自然の緑と海の青が映えて最高の日でした!
その後も豪華なお料理の数々に圧倒

メインの国産牛のローストは、青森県産牛を使用。玉ねぎ醤油と塩漬黒胡椒、山葵とお好みの味付けで楽しめます。どれもお肉そのものの美味しさを引き立ててくれます。

ごはんメニューのちらし寿司では、秋田の伝統工芸品「曲げわっぱ」を使用。
その他の食器も一部、東北にまつわるものを使用しています。列車の内装や食材だけでなく端々に東北愛を感じますね。

ちらし寿司と一緒にいただいたお吸い物には真丈(しんじょ)が入っていて、中にはホタテが隠れていました!
おもてなし活動「洋野エモーション」

岩手県内に入って間もなく、洋野町付近で地元の人々による大漁旗を持っての歓迎が!これもTOHOKU EMOTIONならでは。
他にも、青森県内の階上(はしかみ)駅で列車を待つご家族と手を振り合ったり、終点である久慈駅近くの介護施設の窓から、うちわを持ってお見送りしていただいたりと地域の方々の優しさに触れ感動しました。
(※有志の歓迎・お見送りは不定期です。)
締めくくりのデザート

往路の締めとなるデザートが提供されました。まるで玉手箱のような見た目で、一体どんなデザートなのか開ける前からウキウキです。

開けてみると光り輝くデザートたちが!左から水ようかんマンゴーピュレ、山椒のラングドシャ、わらびもちです。
個人的に一番印象的だったのが、山椒のラングドシャです。意識して食べると、ほんのりと、しかし確かにそこに山椒がいて新感覚でした!
終点の久慈駅へ
デザートに夢中になっていると、あっという間に終点の久慈駅付近に。近づくにつれて、景色は海から田園へと変わっていきます。


久慈駅に到着後、周辺散策におススメなのが「道の駅くじ やませ土風館(どふうかん)」。 久慈駅から徒歩約10分の距離にあり、海藻や塩・琥珀などの特産品販売や、昭和の想い出博物館(有料)があります。

復路ではデザートブッフェを堪能

デザートブッフェが満喫できる復路は、久慈駅からスタート。
ホテルメトロポリタン盛岡が手掛けるオリジナルデザートに舌鼓。先出しで、デザートのアソートプレートが提供されました。左から、いちごのタルト、抹茶のモンブラン、りんごのシャーベットです。
目を引くTOHOKU EMOTIONのロゴがプリントされたホワイトチョコは、抹茶のモンブランとの相性抜群!いちごのタルトも、甘すぎない生クリームとベリーの酸味のバランスが絶妙でした。暑い日だったので、さっぱりとしたりんごのシャーベットがとても美味しかったです!

写真の真ん中上から時計回りに、フルーツショートケーキ、チーズケーキ、ガトーショコラノワール、杏仁のブランマンジェ、グレープフルーツのジュレ、バニラのシフォンケーキと、取材時は計6種のデザートがありました!
その他にもオードブルとしてナッツ、サラミ、ピクルスなども用意されていました。もちろん復路もドリンクメニューは飲み放題。とことん贅沢な旅です。
ブッフェは2号車のカウンターから順番にお好きなデザートをお取りいただくスタイル。甘いものは別腹、と言いますがその通りで、どれもペロリといただきました!午後のあたたかな日差し、三陸の景色とともにいただく美味しいデザートは格別でした。
TOHOKU EMOTIONに乗るには…?
人気を誇るのってたのしい列車「TOHOKU EMOTION」。気になるご乗車方法ですが、”のってたのしい列車予約サイト”からお申込み可能です。なお、ご予約は2名様からとなりますのでご了承ください。
是非一度、ここでしか味わえない自然の景色とお料理で時を忘れて、心もお腹も満たされてみませんか。
※写真はすべてイメージです。食事は2024年8月時点のメニューとなります。