新潟・庄内の景観を地元名店のお料理とともに楽しむ旅

「海里」は、「新潟の食」「庄内の食」と「日本海の景観」をコンセプトに新潟駅~山形県・酒田駅を結ぶ観光列車です。地元名店のお料理と新潟・庄内地方の絶景を同時にお楽しみいただける特別な時間を提供します。今回は2025年8月9日の乗車の様子をご紹介いたします。

旅の始まり

東京駅の電光掲示板
東京駅の電光掲示板

東京駅からとき305号に乗車し、約2時間かけて海里の始発駅である新潟駅へ。

海里 列車外観
海里 列車外観

新幹線の到着と同時に、在来線のホームへ海里が入線してきました。
夕陽と雪の沿線をイメージした赤と白のグラデーションデザインが印象的です。

新潟駅の電光掲示板
新潟駅の電光掲示板

電光掲示板には「海里」の文字が!旅の期待が高まります♪

お見送りのJR社員の方々
お見送りのJR社員の方々

乗車時にアテンダントの方に乗車証を提示して車内へ。
出発時にはJR社員の方々が盛大に見送ってくださいます。非日常感がたまりません…!

列車編成

1号車
1号車

1号車は普通車指定席のリクライニングシート。景色を楽しめるように座席が斜めに窓側に向いているのが特徴的です。

2号車
2号車

2号車は4人掛けのコンパートメントシートとなっており、プライベートな空間を楽しめます。座席をフルフラットにすることができるため、脚を伸ばすこともできます!ゆっくりくつろぎたい方やお子様連れの方にもおすすめです。

3号車お土産
3号車 お土産

3号車では海里オリジナルグッズの購入や乗車記念のスタンプ、エキタグをもらうことができます。おすすめは、乗車記念のパネルを入れての記念撮影です!更に、車掌さんに声をかけると日付入りの乗車記念スタンプをもらうことができます。

※エキタグは株式会社ジェイアール東日本企画の登録商標です。

3号車 エキタグ&スタンプ
3号車 エキタグ&スタンプ
 2025-09-30
3号車 乗車記念パネル
4号車
4号車

私たちが乗車した4号車は“新潟・庄内の食”を存分に堪能いただけるダイニング車両です。(お食事付きで海里を楽しむなら、ご予約は「のってたのしい列車」予約サイトから!)
私たちの座席は2人掛けシートが向かい合わせになっており、広々としていてリラックスできます。車内に入るとアテンダントの方のお出迎えがあり、名前と乗車証を提示し、座席まで案内していただきました。
サンセットカラーのオレンジが印象的な車内です。

1号車 展望デッキ
1号車 展望デッキ

また、1号車と4号車には展望デッキが設置されており、座席から見る景色とは一味違った運転席越しの景色を堪能することができます。

4号車2人席側窓
4号車2人席側窓

4号車は荷物置き場が頭上ではなく座席の後ろにあるため、窓が大きく開放感があり、新潟・庄内の自然を大迫力で感じることができます。また、各号車には座席とは別に大型荷物対応の荷物置き場も設置されているため、大きい荷物があっても安心です。

4人席荷物置き
4人席荷物置き
4号車荷物置き
4号車荷物置き

往路 旅のメイン「お食事」~老舗料亭が届ける新潟市の味~

出発して間もなくのウェルカムドリンクサービスはさらに気分を盛り上げます!
ソフトドリンクのセットまたはアルコール類から選ぶことができます。地酒も注文できますが、まずはソフトドリンクをオーダー。往路のソフトドリンクは雪色ソーダ&村上茶のセットです。雪色ソーダは後味にお米の香りをほんのり感じられます。
有料ではありますが、飲み物を追加することもできます。お酒の飲み比べやいろいろな飲み物を味わいたい方におすすめです。

乾杯
乾杯
ウェルカムドリンクメニューと雪色ソーダ&村上茶のセット
ウェルカムドリンクメニューと雪色ソーダ&村上茶のセット
田園風景
田園風景

10分ほど走ると、田園風景が広がってきます。ウェルカムドリンクとともに、お食事への期待を膨らませながらゆったりと優雅な時間を過ごしました。

くじら沢煮椀
くじら沢煮椀

待ちに待ったお食事は、新発田駅を過ぎた頃から提供が始まります。時期により調理を担当する料亭が異なるので、何度乗車してもお楽しみいただけます。
この日のお食事は江戸末期に創業した老舗の料亭「鍋茶屋」のメニューで、179年もの間、一流の味と風格を繋ぎ続け、地元新潟だけでなく県外や海外の方にも広く親しまれています。
季節の野菜がふんだんに使用されたお料理と、車窓の風景も相まって、夏を全身で感じることができました。

新潟の食材にこだわったお料理
新潟の食材にこだわったお料理

2025年8月現在のメニューです。
【御椀】くじら沢煮椀(さわにわん)
【八寸】鱸幽庵焼(すずきゆうあんやき)、丸十、鍋茶屋特製玉子焼、青梅、枝豆、酢取茗荷、うなぎと胡瓜和え物
【炊合】冬瓜、車海老酒煮、南瓜、楓麩、オクラ、ふり柚子
【小鉢】焼ナス、生姜、帆立
【強肴】新潟和牛ローストビーフ、ズッキーニ、長芋、蓮根、ラディッシュ、マスタード
【油物】海老真薯、青トウ、丸茄子田楽、レモン
【御飯】新生姜ごはん、三つ葉、じゃこ、香の物
【水菓子】杏仁豆腐、ミント、ラズベリー、ブルーベリー、桃コンポート、シャインマスカット、クリスタルジュレ

水菓子
水菓子

日本海の景観を楽しみながら、新潟の食材にこだわったお料理をいただきました。どのお料理もおいしく、一つ一つをじっくり味わいました。
特に、くじら沢煮椀は、さっぱりとした具沢山の汁物とクジラの脂身の相性がよく、印象に残ったお料理でした。お料理を堪能しているとあっという間に酒田駅に到着です。

復路 ~店主の「こだわり」が詰まった絶品イタリアン~

ドリンク
ドリンク

復路は「在来作物」や「生産者との絆」にこだわった珠玉の庄内イタリアンを提供し続けているレストラン「アル・ケッチァーノ」のメニューです。原材料は庄内産を追求しています。きゅうりのタルタルソースやだだちゃ豆のグルテンフリーロールケーキなどの珍しいメニューが満載です。

復路のウェルカムドリンクも往路と同じく、ソフトドリンクとアルコール類から選ぶことができます。ソフトドリンクは往路とは異なるメニューの、「りんごジュース」&「あるけっ茶」のセットが提供されます。りんごジュースはとてもフレッシュで、口に入れた瞬間から風味が広がり驚きました!

デザート中心のお料理s
デザート中心のお料理

2025年8月現在のメニューです。
・庄内豚のトルテーニ バターを絡めて
・イワナの冷燻 きゅうりのタルタルソース
・山形牛と山形セルリーのトマト煮込み
・鶴岡シルクマカロン
・アモールポレンタ
・ロゼッティチョコラート
・旬のフルーツ
・季節のフルーツタルト
・だだちゃ豆のグルテンフリーロールケーキ
・庄内町のはらぺこファームさんのブラックベリーソースとスコーン

デザート中心のお料理のため、アフタヌーンティー感覚で楽しめました。スイーツはウェルカムドリンクの「あるけっ茶」との相性が抜群です!また、「イワナの冷燻きゅうりのタルタルソース」は絶品で、さっぱりとしたイワナを酸味が少ないタルタルソースが引き立てます。きゅうりが入ることにより、シャキッとした食感がアクセントに!ぜひ食べていただきたい一品です。

時間や季節で姿を変える車窓の眺めに注目

笹川流れ眼鏡岩
笹川流れ眼鏡岩

新潟~酒田間では市街地の風景、田園風景、そして壮大な日本海を見ることができます。移りゆく風景をお食事とともに楽しめるのは、海里でしか味わうことのできない特別な体験です。

最大の見どころは、国の天然記念物に登録されている「笹川流れ」です。波に侵食されて形成された複雑な地形と日本屈指の透明度を誇る日本海の景観を同時にお楽しみいただけます。
夏の時期には夏空、冬には夕焼けを楽しむことができます。時間・天気・季節によってさまざまな表情が楽しめるところも海里の魅力ですね。

車窓からの風景(村上-桑川間)
車窓からの風景(村上-桑川間)
車窓からの風景(あつみ温泉-鶴岡間)
車窓からの風景(あつみ温泉-鶴岡間)

ちょっとコアな楽しみ方

往路メニュー表・ランチョンマット
往路メニュー表・ランチョンマット

いたるところに海里のロゴマークが。ランチョンマットには停車駅が印字されています。コースターや飲み物、ランチョンマットは旅の記念にお持ち帰りが可能です♪

車体の海里マーク
車体の海里マーク

乗車中にはその土地の見所や海里のマークが何をモチーフにして考えられたかなど、旅のワクワク感をさらに高めるアナウンスが。内容は実際にご乗車された際に耳を澄ましてみてください!

海里4号車・前面映像
海里4号車・前面映像

運転席にはカメラが付いており、1号車と4号車では車内のモニターで列車前方の映像を確認することができます。お席から写真を撮る際にモニターをチェックすると、トンネルを抜けた際のベストショットが狙えるかもしれません!
他にも、モニターでは海里を紹介する動画も流れていました。

海里の停車駅には特別な駅名看板と号車案内がありますので、チェックしてみてくださいね。

「海里」仕様の駅名看板(酒田駅)
「海里」仕様の駅名看板(酒田駅)
酒田駅「海里」4号車乗車案内(坂町駅)
酒田駅「海里」4号車乗車案内(坂町駅)
日本海ソフトクリーム
日本海ソフトクリーム

途中駅の桑川駅にある「道の駅 笹川流れ」では、海里の停車時間限定で日本海をモチーフにした鮮やかなブルーが特徴的な『日本海ソフトクリーム』が販売されているのでお見逃しなく!!笹川流れ産の塩と北海道産の牛乳で作られた濃厚なソフトクリームを旅の休憩に、ぜひ召し上がってみてください。

※桑川駅での長時間停車は3~11月の期間(一部運転日を除く)となります。運行状況等により停車時間が短くなる場合があります。

編集後記

海里の魅力は、「いつ乗っても新しい姿」だと感じた旅でした。
今回は海里での夏旅をご紹介しましたが、また季節を変えて、違う風景と食材のお食事を楽しみたいと思いました。みなさまも庄内の魅力発見の列車の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

また、前日からの羽越本線内の大雨の影響で、取材当日はダイヤが大幅に乱れての運行となりました。当日も途中雨が降ったり止んだりで少し心配な旅路…。
本来であれば笹川流れの景勝地・桑川での停車時間に散策やお買物を楽しむことができます(冬季・一部日程を除く)が、今回は残念ながら桑川駅で下車することができず、酒田駅にも遅れて到着した影響で、駅周辺の散策はできませんでしたが、乗務員さんが丁寧に運行状況を案内していただいたおかげで不安も吹き飛び、車内でゆっくりと過ごすことができました。

"北前船"で栄えた酒田には本間美術館や山居倉庫、飛島など、見どころがたくさんあります。片道でも往復でも楽しめる「海里」にぜひご乗車いただき、海里ならではの旅や到着地での観光をお楽しみください!

最後に、線路の復旧作業にあたられた皆さま、安全を確認しながら運行してくださった関係者の皆さまのおかげで海里の旅を最後まで楽しむことができました。本当にありがとうございました。

行程

2025.8.8(金)日帰り

【7:48】東京駅発 とき307号(普通車指定席)

【9:51】新潟駅着

《往路》

【10:11】新潟駅発「海里(下り)」乗車

【15:40】(定刻13:36)酒田駅着

《復路》

【16:20】(定刻 15:52)酒田駅発「海里(上り)」乗車

【19:35】(定刻18:38)新潟駅着

※一部雨のため遅延がありました。

【19:42】新潟駅発「上越新幹線とき342号」乗車

【21:52】東京駅着

※列車の発着時刻は取材当時のもので、変更になる場合があります。

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更新日