食事付き列車で新潟・庄内を堪能する上質な旅【海里】
新潟県や山形県庄内地方にある豊かな海と里の美味しいもの、景色を楽しめる観光列車「海里」。週末をメインに新潟-酒田の海沿いを走っている魅力満載の列車「海里」をご紹介します。

列車の外観は、夕日をイメージしたサンセットオレンジから新雪をイメージしたホワイトへのグラデーションが印象的です。
この日は雪国ならでは、雪化粧をした海里が入線してきました。ホームでは、記念撮影をしている方も多くいらっしゃいました。

ホームの電光掲示板には海里仕様の表示が出ており乗車前から心が踊ります!

今回は、「のってたのしい列車予約サイト」で食事付き旅行商品を購入。旅行商品専用車両の4号車に入るとアテンダントの方がお出迎え、名前と乗車証を確認し、席まで案内してくれました。
4人掛けの席は広々していて、暖かみのあるライトに照らされているのでとてもリラックスできます。
ちなみに、1号車は2人掛けリクライニングシートです。2号車は全席4人掛けのコンパートメントシートで、座席を引き伸ばすとフルフラットにできます。

3号車は、お土産販売、お弁当の受け取りができる売店や、イベントスペースがあり、ここで乗車の記念スタンプを押すことができました!

ホームにはお見送りの方々が!「行ってきます」と手を振って、いよいよ出発です。
新潟の料亭の味を列車で堪能!

出発してすぐにウェルカムドリンクが提供されました。メニューの中から2種類選ぶことができます。
また、有料にはなりますが、追加で新潟限定ビール「風味爽快ニシテ」や、海里の停車駅がある新潟県村上市の日本酒「大洋盛」などのアルコール類も注文できます。

往路では月や曜日によって提供店舗が変わり、来るたびに違うメニューを味わうことができます。
楽しみにしていた食事が運ばれてきました!
今回は1872年創業老舗料亭の「一〆(いちしめ)」さんのお料理です。

取材時のメニュー(2025年2月)
壱の重:
鰻と茄子の煮浸し、新潟のっぺ、八色椎茸じゃばみ豚射込み、南瓜旨煮、銀鮭焼き漬け、牡蠣時雨煮
弐の重:
一〆特製玉子焼き、野菜あちゃら漬け、冬菜と湯葉の和えもの、胡麻豆腐、楚蟹の炊き込みご飯

壱の重に入っている「新潟のっぺ」と「銀鮭焼き漬け」は農林水産省の「うちの郷土料理」でも紹介されている新潟県の郷土料理です。のっぺは新潟の家庭料理として親しまれており、お正月に食べることが定番となっているので、料亭が作るのっぺを味わえるのは、なかなか無い機会です。上品な味付けでとても美味しかったです!
銀鮭焼き漬けは、海里が走る新潟県村上市の料理です。焼いた鮭を酒やみりんなどを合わせた醬油だれに漬け込んでいるので、冷めてもふんわりしていて箸が止まりませんでした!
季節によっても料理の内容が変わるため、何度乗っても食事を楽しむことができますよ。
海里の車内アナウンス

食事を楽しんでいると…水引のような形をした「海里」のロゴの由来などなど車掌さんによる車内アナウンスが!その他にも、停車駅周辺のおすすめポイントや、特産品など、海里が運行する沿線の情報を聞くことができますよ!

車窓からは日本海がよく見え、冬の荒波は大迫力です。当日あいにくの曇り空にもかかわらず、車窓から粟島がはっきりと見えました。運行日によっては桑川駅で35分程停車するので、ホームを出て道路を渡り「笹川流れ」を間近で見ることができます。
酒田を満喫

列車は日本海の景色から出羽三山の見える風景へと変わっていきます。移りゆく景色を眺めていると、あっという間に酒田駅に到着です。酒田駅では駅員の皆さんがお出迎えしてくれました。
帰りの海里の時間まで酒田を満喫します。今回は「舞娘茶屋 相馬樓」さんに行ってきました。酒田駅前のバス乗り場から循環バスに乗って向かいます。
江戸時代から酒田を代表する料亭「相馬屋」を修復し、建物は1996年11月に国の登録文化財建造物に指定されています。趣のある建物に入り、豪華な装飾が施された玄関を上がると、舞娘さんが出迎えてくれました。

2階のお座敷で酒田舞娘の演舞を鑑賞しました。舞娘さんの芸は、優雅な所作と美しい舞いで、思わず見入ってしまいました。舞踊中の掛け声や歌詞の意味などを、地方(唄と三味線を弾く)の芸者さんが教えてくれるので、初めて見る方でも楽しむことができます。

舞踊の後には、舞娘さんと記念撮影をすることができ、かつらや着物などについて質問している方もいました。舞妓さんは京都のイメージが強かったですが、酒田舞娘、山形舞子、秋田舞妓など東北でも舞妓さんに会える場所はあるようです。

館内には「竹久夢二美術館」が併設されています。また、土蔵には雛人形や料亭時代に使っていた道具が展示してありました。
ぜひ、酒田を訪れた際には「舞娘茶屋 相馬樓」さんへ足を運んでみてください。
酒田-新潟では庄内イタリアンを堪能

帰りは庄内の食を堪能!
酒田駅ホームでアテンダントさん達に「おかえりなさい」と出迎えられ、再び海里4号車に乗車します。
ウェルカムドリンクは、あるけっ茶と、雪色ソーダを選びました。
あるけっ茶は「アル・ケッチァーノ」奥田シェフ監修の、料理に合うよう考えた発酵茶です。雪色ソーダは、瓶の底にお米の成分が沈殿しており、お米のほのかな甘みを感じました。

鶴岡駅を発車後、日本のトップシェフである奥田政行氏が2000年に創業した庄内イタリアン「アル・ケッチァーノ」の食事が提供されます。庄内の食材をふんだんに使ったイタリアンを味わいながら新潟駅へ向かいます!
「アル・ケッチァーノ」も季節によってメニューが変わり、12月~3月は冬メニューです。
鱈とジャガイモのオーブン焼き、庄内豚のグリルと藤沢カブの焼き畑仕立て、庄内のズイキ芋のチーズグラタン、鶴岡シルクマカロン、冬野菜とオリジナルバーニャカウダソース、大根の温かいシルキーなヴルーテ、自家製フォカッチャ。

庄内のズイキ芋のチーズグラタンは、ほんのり甘いぽくぽくしたお芋にクリーミーなグラタンソースが相性抜群です!
鶴岡銘菓シルクマカロンは、サクサクしたマカロンにバタークリームがサンドされています。このバタークリームには笹川流れの塩が使われていて、塩味がアクセントになってとても美味しかったです!
乗車記念スタンプ

車掌さんに声をかけると日付入りの乗車記念スタンプを押してもらえました。乗車された際は、旅の記念にスタンプを押してもらいましょう。
海里が結ぶ縁
沿線では、地元の方が海里に向かって手を振ってくださいました。また車内では、お客さまとアテンダントさんが酒田での出来事や、新潟のオススメについて話している声が聞こえてきました。
海里に乗車したことによって地域の人やアテンダントさん、車掌さんと結ばれる縁を感じることができた旅でした。
行程
2025.2.11(火)日帰り
【7:54】上野駅発「上越新幹線とき305号」乗車
【9:51】新潟駅着
【10:11】新潟駅発「海里(下り)」乗車
【13:27】酒田駅着
~バス停まで徒歩約3分~
酒田駅前から酒田市コミュニティバス「るんるんバス」酒田駅大学線に約3分乗車、「寿町」下車
~徒歩約2分~
「舞娘茶屋 相馬樓」にて酒田舞娘の演舞を鑑賞&「竹久夢二美術館」見学
~バス停まで徒歩約2分~
「寿町」から酒田市コミュニティバス「るんるんバス」酒田駅大学線に約3分乗車、「酒田駅前」下車
~徒歩約3分~
【15:03】酒田駅発「海里(上り)」乗車
【18:38】新潟駅着
【18:58】新潟駅発「上越新幹線とき340号」乗車
【20:50】上野駅着
※列車の発着時刻は取材当時のもので、変更になる場合があります。