地元の熱意が線路をつないだ「秋田内陸縦貫鉄道」
- 列車
スマイルレール秋田内陸線
東京から秋田新幹線に乗って角館駅に近づくと、進行方向右側に線路が近づいてきます。この線路が秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線の線路で、かつて国鉄角館線と呼ばれていた区間です。角館駅と鷹巣駅を結ぶ営業キロ94.2kmのローカル線で、その名の通り秋田県の内陸部分を縦に貫く山深いエリアを通る路線です。地域の方々の笑顔を誇り、訪れる方も笑顔にしたいという思いを込めて「スマイルレール」の愛称がついています。
開通までの苦闘
秋田内陸線は国鉄時代に両端から建設が開始され、角館駅-松葉駅間が角館線として、鷹ノ巣駅-比立内駅間は阿仁合線として営業していました。しかし、国鉄再建法により両路線を結ぶ線路の工事は凍結され、それどころか角館線も阿仁合線も特定地方交通線の指定を受け廃線が承認されてしまいました。しかし地元は廃線を良しとせず、第三セクター会社を設立し路線を引き受け、さらに未開通区間の工事を再開させて両路線をつなぐこととしました。
開通してからも…
廃止の危機を乗り越えて1989(平成元)年に全線開通した秋田内陸線ですが、開通したからといって危機が去ったわけではありません。沿線の道路の整備や人口減など鉄道にとっては逆風になる出来事も多く、沿線人口が多いとは言えないエリアを通る鉄道の宿命でもありますが、廃線の論議はいつまでも付きまとってしまいます。もちろん手をこまねいているわけではなく、沿線の観光需要の創出・取り込みに力を入れています。
見どころいっぱいの沿線
沿線の阿仁地区は伝統的な猟師、マタギの里として知られています。駅から徒歩、または送迎してくれる温泉宿が沿線に9軒あり、鉄道で湯めぐりを楽しめる路線でもあります。2021(令和3)年には最寄り駅である縄文小ヶ田駅から徒歩約10分で行ける伊勢堂岱遺跡が世界遺産:北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群に登録されました。見どころいっぱい、車窓からも絶景が楽しめる秋田内陸線を一度訪ねてみませんか?
秋田内陸縦貫鉄道
- 秋田内陸縦貫鉄道公式サイト
- https://www.akita-nairiku.com/
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