神聖な空気に包まれる、東北の聖地。
「出羽三山」
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江戸時代には「お伊勢参り」と肩を並べた「出羽三山参り」
古くから信仰を集めてきた「出羽三山」。江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」といわれるほど多くの参拝者が訪れていました。出羽三山とは、羽黒山、月山、湯殿山の総称で、開山は6世紀ごろ。それぞれに正式な参拝コースがあります。神聖で厳かな空気に包まれる、三つの山々。地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーは、『日本遺産』にも認定されています。
羽黒山を象徴する国宝「五重塔」へ
三山はそれぞれ羽黒山が現世、月山が前世、湯殿山が来世の浄土を表すといわれ、信仰を集めてきました。昔から羽黒山を入り、月山で修行して湯殿山で再生する、「生まれ変わり」の意味を持つ巡礼の旅とされてきました。玄関口となるのは羽黒山の「隋神門」。ここから山頂まで続く杉並木を歩いていくと、厳かな佇まいの「五重塔」が見えてきます。東北最古の塔、平将門が創建したと伝わり、国宝にも指定されています。この近くには、樹齢1,000年を超える羽黒山最高樹齢の杉、「爺杉」が堂々と根を張ります。

出羽三山の中心的存在、「羽黒山五重塔」。杉並木を抜けると神々しく佇む姿が見えてきます
高山植物に迎えられる神域
羽黒山への散策だけでも十分に出羽三山の神聖な雰囲気を味わうことができますが、時間と体力に余裕があるなら、ぜひ「月山」へも。頂上に「月読命(つきよみのみこと)」を祀る月山神社本宮が鎮座し、さらに深い神域のムードを漂わせています。木道や石畳の道が続き、八合目から頂上までの山道は国立公園内の一部。山道ではクロユリやオゼコウホネなど、希少な高山植物が出迎えてくれます。山頂からは庄内平野はもちろん、遠くに八幡平の絶景が見事です。登頂が難しい場合は、八合目の駐車場から徒歩約10分の「御田原神社」へ。ここでの参拝も、山頂の本宮を参拝するのと同じご利益があるといわれています。

標高約1984mの「月山」山頂からは、庄内平野や鳴海山、岩木山が望めます
出羽三山で最も神聖とされる「湯殿山」へ
羽黒山や月山で修行を積んだ山伏が最後に入る山とされる「湯殿山」。湯殿山神社本宮は、撮影禁止、土足厳禁、参拝前にお祓いを受けるなど、厳しい決まり事がいくつかあります。それほどに、深い神域とされ足を運ぶ価値も大きいといえるでしょう。
また「湯殿山」は紅葉の名所としても有名。秋には周囲の山々が彩に包まれ、大鳥居から本宮まで紅葉散策も楽しめます。
心穏やかに静かな山々を歩く旅。信仰に関わらず、神聖な雰囲気に包まれる時間を旅の中に設けてみてはいかがでしょう。

今も湯殿山神社本宮への参拝は、履物を脱ぎ裸足でお祓いを受けてからとされています
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