“秘湯”の雰囲気に浸る、ブナの森の温泉。
「乳頭温泉郷」

湯めぐりする価値のある個性豊かな秘湯

十和田・八幡平国立公園、乳頭山麓に広がる「乳頭温泉郷」。ブナの原生林に点在する7つの湯宿は独自の源泉を持ち、泉質も多種多様でその数なんと10種類以上。どこも野趣あふれる露天風呂があり、乳白色のお湯が楽しめます。「乳頭温泉」は日本の秘湯の代名詞。七湯めぐりの温泉浴は万病に効能を発揮するといわれています。

江戸時代からの歴史を持つ「黒湯温泉」。露天風呂には秘湯感が漂います

乳白色のお湯を心ゆくまで

ブナの原生林に囲まれる「乳頭温泉郷」には、「秘湯」という言葉がよく似合う個性豊かな7つの湯宿があります。すべて独自の源泉からお湯を引き、泉質や効能もそれぞれ。中には、1カ所でいくつもの異なる泉質を堪能できる温泉も。「乳頭温泉郷」に足を運ぶなら、ぜひ湯めぐりで、さまざまな泉質を楽しみたいものです。7つの宿のいずれかに宿泊すると購入できる「湯めぐり帖」を手に、温泉街を走る「湯めぐりバス」に乗っていくつもの温泉を巡ってみてはいかがでしょう。温泉郷内の「ツアールの森」では、渓流美を楽しみながらのブナ林散策もおすすめです。

歴史ある秘湯で、大地の恵みに癒やされる

「乳頭温泉郷」の中で最も古い歴史を誇り、秋田藩主の湯治場として重宝されたのが「鶴の湯温泉」です。今なお残る茅葺き屋根の長屋「本陣」は当時の護衛が詰めた場所。4つの源泉を持ち、ここだけでも湯めぐりが楽しめそうです。
温泉郷の最も奥に位置し、江戸時代初期に発見された古湯といえば「黒湯温泉」。宿のすぐ隣に源泉があり、温泉が噴出する様子を間近に見ることができます。露天風呂には打たせ湯も。湯量の豊富さは温泉郷の中でも随一です。
先達川がダイナミックに流れる様子を見ながら湯浴みができるのは「妙乃湯」。「金の湯」「銀の湯」と名付けられた泉質の異なる2つのお湯を堪能できます。

乳頭温泉郷で最も古くからある「鶴の湯温泉」。お湯に浸かりながら季節の移ろいを感じられます

野趣たっぷりの露天で自然との一体感を味わう

七湯すべてに秘湯を感じられる「乳頭温泉郷」には、まだまだ魅力的な温泉があります。
宿から50ｍほど離れたブナの原生林に露天風呂がある「蟹場温泉」は、紅葉の絶景も有名です。
「山の薬湯」と呼ばれ、湯治場の風情あふれる「孫六温泉」には、内風呂、露天風呂ともに混浴と女性専用があり、それぞれ違う泉質のお湯を堪能できます。
木造校舎を移築したユニークな湯宿「大釜温泉」は、源泉温度98℃。冬季間でも入浴できる露天風呂で、雪見風呂を楽しむことも。
そして「乳頭温泉郷」では珍しく近代的な施設にリニューアルされた「休暇村乳頭温泉郷」は静かなブナ林に囲まれた温泉です。
秘湯めぐりで、日常とはかけ離れた世界へ。そんな旅の醍醐味が満喫できます。

付近の沢に蟹が多く住むことから名前が付いた「蟹場温泉」の露天風呂