復興への手段が美しい景観に。
「山元町のヒマワリ畑」

東日本大震災による被害

宮城県南部、福島県との県境近くの太平洋側にある町「山元町」。この地区は、東日本大震災の津波によって海岸線から1.5kmもの範囲でほとんどの建物が流出し、それより内陸側でも建物の床上2m程度が水没するような甚大な被害を受けました。

山元町震災遺構中浜小学校
東日本大震災の津波から90人の命を守り抜いた校舎です。防災教育・震災伝承の場として公開されています。
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室

復興への歩み

山元町は復興に向け、内陸に移転した新しい常磐線と国道6号線を軸とした市街地を形成し、居住地を集約したコンパクトなまちづくりを目指す計画を立てました。主要な生産品であったいちごは栽培施設の97%が流出、農地の59%が浸水するという被害を受けた町の基幹産業である農業を復活させるため、農地を大区画に整備し効率を向上させることにしました。

特産品のいちご。旬の時期にはいちご狩りも体験できます。

景観に配慮しつつ土地の力を戻す

区画整理をして効率を向上させようとしても、それだけではうまくいきません。津波で浸水した農地や道路や宅地だったところでいきなり作物を育てても、農作物を育てる「地力」が不足してしまいます。そこで取った手段が「緑肥」というもので、目的の作物ではない植物を育てて土地に漉き込むことにより地力の増進を図るというものでした。景観面も考慮したうえで作付けすることにしたのがヒマワリ。景観用のものに比べ開花が早く背が低い緑肥目的に向いた品種が選ばれています。

復興への力となるべく一面に咲き誇るヒマワリ

咲き誇るヒマワリに復興への想いを込めて

広大な農地に約200万本ものヒマワリが咲き誇る景色は壮大で、青い空と黄色い海が織りなす風景は思わず息を呑む美しさです。あくまで緑肥のための作物のため毎年作付け本数や場所が変わるので、目の前の絶景は今だけのものかもしれません。その土地に合った様々な方法で東日本大震災からの復興を成し遂げようとしている東北地方の沿岸部。力強い復興への歩みを肌で感じることができる山元町を訪ねるのはいかがでしょうか?



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※写真はすべてイメージです