現代に生きる世界遺産『五箇山』

日本の原風景に会いに行く

富山県南砺市、自然豊かな場所に立ち並ぶ合掌造りの建物。『五箇山』は40の小さい集落の総称で「世界文化遺産」に登録されているのは、相倉(あいのくら)と菅沼(すがぬま)の2集落です。岐阜県の白川郷(荻町)と合わせた3集落で1つの世界文化遺産に登録されています。のどかな田園風景は、どこか懐かしい日本の原風景そのもの。今も、昔と変わらない暮らしの姿を留める“生きる”世界遺産です。

相倉合掌造り集落(写真提供:とやま観光推進機構)

『生活と生業』2つの面を持つ家屋

厳しい冬に対応する強固な造りになっている『合掌造り家屋』。急勾配の茅葺屋根が特徴的ですが、これは降り積もる雪を滑り落としやすくする為です。自然環境に合わせて造られているだけではなく、生活のために行っていた産業とも深い関わりがあります。五箇山三大産業の1つである養蚕は、「天(あま)」と呼ばれる合掌造りの屋根裏部分で行われていました。山村生活の知恵を生かした建築です。

菅沼合掌造り集落(写真提供:とやま観光推進機構)

時代を超えて継承

「民謡の宝庫」と言われている五箇山。30近い民謡が残されていると言われており、もっとも代表的な民謡は「こきりこ節」で、無形文化財に指定されています。108枚の檜の板をつないだ『ささら』と呼ばれる打楽器を打ち鳴らしながら踊ります。豊作祈願、収穫への感謝、 暮らしの中から生まれた民謡は、唄い踊り続けることによって守られ、時代を越えて五箇山に息づいています。

こきりこ節(写真提供:とやま観光推進機構)

銀世界に灯る里山の明かり

しんしんと雪が降る、静かな五箇山の冬。五箇山は、多いときには積雪が3メートルにもなる豪雪地帯です。そんな五箇山で冬に行われるライトアップイベントは、毎年多くの人を魅了しています。都会のイルミネーションとは一味違う、白銀の世界に落ちる温かい窓明かりが、ノスタルジックで幻想的です。雪明りで照らされる集落は、まるでおとぎ話の世界に入り込んだような気持ちになります。

相倉合掌造りライトアップ(写真提供:とやま観光推進機構)

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※写真はすべてイメージです