富山県の名物料理「ます寿し」と「昆布締め」

駅弁として有名になった「ます寿し」

「ます寿し」とは主に富山県で親しまれている押し寿司の一種です。笹の葉を敷き詰めた円形の入れ物に塩漬けして味をつけた鱒と酢飯を重ね、敷いた笹を折って包み込むようにしたものに重しを乗せたお寿司を指します。米どころであり水どころである富山のご当地寿し「ます寿し」は、富山駅の駅弁として人気を博して、全国に名を轟かせるようになりました。笹ごと付属のナイフで切り分けると、手を汚さずにいただくことができます。

ます寿し 写真提供:(公社)とやま観光推進機構

十軒以上の店が腕を競い合う

ます寿しを製造しているお店は富山市内だけでも十軒を超えています。鱒の厚さや押し加減、酢や塩の強さなどお店それぞれに細かな違いがあり、一つとして同じ味のものはないと言われています。地元では自分の好みに合った「ごひいき」のます寿し屋があるとかないとか…富山駅の近くにも多数の店舗があるので、路面電車などで巡って「食べ比べ」をすることができる便利でオトクなクーポン付きチケットも販売されています。さらに手作り体験ができるスポットまであります。

路面電車が走る街・富山 写真提供:(公社)とやま観光推進機構

おいしい魚介類をさらにおいしく「昆布締め」

富山県の目の前に広がる富山湾は「天然の生け簀」とまで言われるほどおいしい魚介類に恵まれています。その魚介類を昆布で挟み、一晩程寝かせたものが昆布締めです。食材の余分な水分を抜くことで日持ちを改善しつつ昆布の旨味を移す一石二鳥の調理法です。元々はサワラやタイなどの白身魚を締めることが多く、今でもその多くは魚を締めたものですが、キノコや野菜、肉を締めた商品も販売されています。

昆布締め 写真提供:(公社)とやま観光推進機構

昆布の陰に歴史あり

魚介類には恵まれている富山県ですが、基本的に寒冷地に分布する昆布に関しては漁獲がほぼありません。しかし、富山県では昆布締め以外にも昆布巻かまぼこや昆布巻きなど昆布を利用した食品が親しまれていて、昆布の消費量が多い県として知られています。これには江戸時代の北前船の寄港地として栄えた港があることと、明治期に富山県から北海道への移住者が多く、昆布の産地との交流が深まったことが関連していると言われています。歴史を感じつつ「富山の食」を楽しんでみるのはいかがでしょうか?

昆布巻かまぼこ(奥)と赤巻かまぼこ(手前)写真提供:(公社)とやま観光推進機構

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