若狭塗箸 写真提供:福井県観光連盟
約400年の歴史を持つ
「若狭塗」
- 工芸
国内シェア約80%
日本の塗箸の約8割のシェアを誇る「若狭塗箸」は、福井県若狭小浜エリアを代表する伝統工芸です。私たちの生活にかかせない「お箸」は聖徳太子の時代に中国から伝わったと言われています。伝来当初は貴族が使用する食器でしたが、時代が下るにつれ庶民の間にも広まりました。若狭塗箸は、江戸時代前期に小浜藩の漆細工や漆器製造をする職人である「塗師(ぬし)」であった松浦三十郎が、中国の漆器を参考に制作したものが起源とされています。

若狭塗箸 写真提供:福井県観光連盟
若狭の海をイメージした螺鈿
若狭塗箸には貝殻や卵殻などが装飾として使用されています。下処理を終えた箸に装飾をちりばめて赤や黒などの色漆を塗り重ねた後、漆の層を一部削り丁寧に磨き上げることで埋め込んだ素材が浮かび上がり、独特の模様となって現れます。当初のデザインは若狭湾の海底をモチーフにしたと言われており、若狭の海の恵みは食だけではなく伝統工芸にも息づいているのです。

若狭塗箸 写真提供:福井県観光連盟
和食にとどまらない箸の可能性
小浜市にある「箸のふるさと館WAKASA」では、3000種類もの箸が展示即売されており、古代若狭塗の手法を現代に蘇らせた逸品からカジュアルなものまで、豊富に取り揃えています。また、和食だけではなく洋食、中華料理のテーブルウェアに合わせたデザインのものもあり、お箸のショールームのような空間となっています。自分のお気に入りを探しながら店内を見て歩くのも面白いでしょう。

箸のふるさと館WAKASA(写真提供:福井県観光連盟)
一つとして同じものはない
丁寧に漆を削り、埋め込んだ素材で模様を出す「若狭塗」。その作り方ゆえに同じものは二つとなく、貝のきらめきや形など1本1本がそれぞれ異なる表情を見せてくれます。若狭小浜エリアでは、そんな若狭塗の醍醐味「研ぎ出し」の作業を自分の手で行う体験ができます。研ぎ具合によって変わる模様を楽しみながら、世界に一つだけのお箸を作ってみてはいかがでしょうか?

若狭塗箸
- 箸のふるさと館WAKASA【若狭塗箸協同組合】
- https://wakasa-hashi.com/
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